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Accessで作る購買伝票について その13 レポートの作成

サンプル

これまでに、テーブル、クエリ、フォームの作成方法を紹介してきました。今回は、データベースに入力したデータを出力する方法としてレポートについて説明をします。

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レポートの作成

レポートの作成においては第1回目のイメージ化の際に、最終的な出力イメージとして紹介した図を改めて図1に示します。

これまでに入力してきた内容を基本様式に当てはめて出力することを目的としています。左図を今後、「基本様式」と呼びます。

ここで、上図に示した基本様式は、これまでに作成してきたフォーム設計と同様の考え方で購買品目以下情報は複数表示される可能性があります。したがって、レポートを作成する際には、フォーム作成時と同様にメインレポート(上段部分)とサブレポート(下段部分:複数レコード表示箇所)を作成する流れとなります。

これらの点を踏まえて、まずはメインレポートを作成していきましょう。最初に「作成」タブの「レポートデザイン」アイコンをクリックしてください。

図1 レポートの作成1

これにより、Access上に「レポート1」(以下、「メインレポート」と呼びます。)が作成されます。レポートでは、 あらかじめ印刷をする際のページ設定をしておくことをお勧めします。特に、セクション幅と余白設定は上手く調整しないとはみだしエラー(図2)が発生することがあり、せっかく設定したレイアウトを修正しなければならなくなることがあります。

図2 セクション幅の設定アラート

そこで、メインレポートのページ設定を行うため、レポートデザインツールの「ページ設定」タブ中、「ページ設定」アイコンをクリックしてください。

図3 レポートのページ設定①

ページ設定画面では、初めに「印刷オプション」タブでレポートの余白を設定します。経験上、上下左右いずれも「4.7mm」にすることをお勧めします。
次に、「ページ」タブでは用紙サイズとして「A4」を選択します。
さらに、「レイアウト」タブではサイズとして幅を「20cm」、高さを「25cm」としてください。これで設定ができましたので、「OK」をクリックしてください。

図4 レポートのページ設定②

続いて、レポートヘッダーに「購買依頼書」のタイトルを設定します。設定方法は、レポートデザインツールの「デザイン」タブからラベルコントロールを選択し、詳細セクションに左クリックで範囲選択をし、「購買依頼書」とキーボード入力してください。

図5 レポートタイトルの設定

次に、メインレポートではT_購買伝票テーブルに係るデータを出力することになりますが、この際発注先の会社名は当然ながらID情報では人が見て判断がつきません。そこで、レポート向け出力データを作成するためのクエリ設定を行います。

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出力フィールドの設定

まず、レポートのプロパティシートを開くため、図6に示す、「レポート1」と書かれたタブ下直ぐの四角い箇所を左クリックします。これにより、メインレポートのプロパティを参照している状態になります。
次に、プロパティシートの「レコードソース」プロパティにおいて、「…」のボタンをクリックします。

図6 クエリビルダーの起動

ボタンクリック後、クエリビルダーが起動し画面が切り替わります。この際に「テーブルの表示」ダイアログボックスが開くため、メインレポートでのデータ出力と関係する、「T_購買伝票」及び「T_取引先マスタ」を選択して「追加」ボタン→「閉じる」ボタンとクリックします。

図7 クエリビルダーへのテーブル追加

次に、クエリ作成画面上で各テーブルのリレーション設定をします。リレーションについては、Accessで作る購買伝票について その7 クエリ作成(結合)で詳しく説明をしているのでご参照ください。

今回の場合、T_取引先マスタの「取引先ID」フィールドとT_購買伝票の「発注先名称」で リレーション設定をします。
リレーションは該当フィールドをドラッグしながら、相手先フィールドにドロップすることで設定ができます。

図8 クエリビルダーでのリレーション設定

リレーションが設定出来たら、クエリ下部のフィールド項目に情報を追加していきます。

図9 クエリビルダーでのフィールド追加

メインレポートに出力するためのフィールドとして、T_購買伝票からは「管理番号」、「発注日」フィールドを、T_取引先マスタからは「取引先名称」フィールドを、 それぞれ選択して、下部の【 フィールド 】項目に追加します。
フィールドを追加後、「デザイン」タブの「閉じる」アイコンをクリックします。「SQLステートメントの変更を保存し、プロパティの設定を更新しますか?」と問われるので、「はい」をクリックしてクエリビルダーを閉じます。
以上の操作により、レコードソースプロパティに該当レコードを抽出するためのSQL文(「SQL文」は、データベース操作をするために必要となる文法です。概要は、Accessで作る購買伝票について その6 クエリ作成(選択・射影) に記載していますので、そちらをご参考ください。)が設定されました。なお、「レコードソース」プロパティが狭くて内容を確認しにくい場合は、「レコードソース」プロパティにカーソルを合わせた状態で「Shift + F2」を押下してください。図10に示すような、ズームダイアログボックスが表示されます。

図10 レコードソースプロパティへのSQL文追加

レポートへのオブジェクト配置

メインレポート上に各レコードを出力できるように、設定していきましょう。まず、デザインタブの「既存のフィールドの追加」アイコンをクリックしてフィールドリストを表示します。先にクエリビルダーで設定した「管理番号」、「発注日」及び「取引先名称」のフィールドが利用可能となっています。そこで、これらをドラッグアンドドロップしてレポートの詳細セクションに図11のように配置をします。

図11 レポートへのフィールド追加

これで、メインレポートへのレコード出力向けテキストボックスを配置できました。続いて、イメージする基本様式に合わせるため、ラベルの設定をします。

まずは、基本様式に示すように「管理番号」と「発注日」の後ろにコロン「:」を入力します。ラベルの位置を揃えるために「管理番号」と「発注日」のラベルオブジェクトを左クリックで選択します。(複数選択の場合はCtrlキーを押しながらマウスで左クリックします。)
この状態で、配置タブの「配置」アイコンをクリックし、「右」を選択します。これにより、ラベルオブジェクトを右揃えします。
同様の方法で、「管理番号」と「発注日」のテキストボックスを左揃えしましょう。

図12 ラベルへの追記とラベルオブジェクトの配置設定
図13 テキストオブジェクトの配置設定

また、取引先名称はラベルを必要としませんので、当該ラベルオブジェクトは削除します。該当するラベルオブジェクトを左クリックで選択し、Delキーを押下することで削除できます。なお、テキストボックスを選択してDelキーを押下すると、ラベルオブジェクトと併せて削除されます。

図14 ラベルオブジェクトの削除

さらに、メインレポートの体裁を整えるために、以下の設定をしていきます(図15参照)。
「取引先名称」テキストボックスのフォントを「16pt」にし、オブジェクト左下でマウスアイコンが斜め矢印となった状態でドラッグしながらサイズを広げます。
タイトルラベルは詳細セクションの真ん中に来るように調整します。
定型となる「会社名」、「住所」及び 「御中」をラベルオブジェクトとして追加します。「会社名」と「御中」のフォントは「14pt」に、「住所」のフォントは「11pt」にします。
また、文字色は全て黒色にします。

図15 レポートの整形

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印刷プレビューでの確認

メインレポートの各オブジェクトを設定した後、画面左上の「表示」アイコン下部の▼をクリックし、「印刷プレビュー」を選択して、どのようにレポートが印刷されるかを確認しましょう。

図16 印刷プレビューの表示

印刷プレビューでは、各テキストボックスに枠線がついていることが分かります。レポートのテキストボックスにおいて、既定では枠線がついているため、邪魔となる場合は改めてデザインビューで枠線を表示しないように設定します。印刷プレビューからデザインビューに戻る場合は、画面右上の「印刷プレビューを閉じる」アイコンをクリックします。

図17 印刷プレビューでの確認①

それでは、テキストボックスの枠線を透明にするために、デザインビューに戻りましょう。デザインビューで各テキストボックスをCtrlキーを押下しながら左クリックすることで、全てのテキストボックスを選択状態にします。続いて、「 書式」タブ→「コントロールの書式設定」内「図形の枠線」アイコンをクリックし、カラーパレットの「透明」を選択します。これで、選択したテキストボックスの枠線は透明になりました。改めて、印刷プレビューで表示内容を確認してみましょう。

図18 テキストボックス枠線の色設定
図19 印刷プレビューでの確認②

いかがでしょうか。今度は、テキストボックスの枠線がついていないことが確認できたと思います。これで、メインレポートに相当する部分の設定は完了しました。

まとめ

今回は、出力イメージである基本様式に基づいてメインレポートを作成しました。この際に、どのレコードを出力するかをクエリビルダーで設定しましたが、すでに作成しているテーブルやクエリを出力に用いることもできます。また、レポートセクション上にはラベルやテキストボックスの配置をしましたが、これも自由に配置をすることができるため希望する様式に設定することは容易ですので是非練習してみてください。
次回は、サブレポートの作成を紹介していきます。

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