これまでの内容で、Accessの役割やテーブル作成について学んできました。
Accessを使い始めたばかりの方が最初に感動する機能があります。
それが
「クエリ」
です。
クエリを使えるようになると、
- 必要なデータだけ表示
- 条件に合うデータだけ検索
- 売上集計
- 顧客分析
などが簡単にできるようになります。
実際に業務改善を進めるうえで、
Accessの最重要機能のひとつ
と言っても過言ではありません。
今回は、初心者向けにクエリの基本から実際の使い方まで分かりやすく解説します。
クエリとは何か
クエリとは、
テーブルに保存されたデータを
必要な形で取り出す仕組み
です。
例えば顧客マスタに次のデータが登録されているとします。
| 顧客コード | 氏名 | 都道府県 |
|---|---|---|
| C001 | 山田太郎 | 東京都 |
| C002 | 鈴木花子 | 神奈川県 |
| C003 | 佐藤一郎 | 東京都 |
ここから、
東京都のお客様だけ表示したい
という場合に利用するのがクエリです。
Excelのフィルターとの違い
初心者の方は、
Excelのフィルターと同じ?
と思うかもしれません。
似ていますが大きな違いがあります。
Excel
その都度条件を設定
Accessクエリ
一度作成すれば何度でも利用可能
です。
例えば
東京都の顧客一覧
今月登録分
売上TOP10
などを作成しておけば、
ワンクリックで呼び出せます。
クエリでできること
まずはイメージを持ちましょう。
クエリでは主に次のような処理ができます。
データ抽出
東京都の顧客だけ
並び替え
売上の高い順
集計
部署別売上
条件検索
2026年に登録された顧客
複数テーブルの結合
顧客情報+売上情報
Accessを使う価値の大部分は、このクエリ機能にあります。
今回利用するサンプルデータ
前回作成した顧客マスタを利用します。
T_顧客マスタ
| 顧客コード | 氏名 | 都道府県 | 登録日 |
|---|---|---|---|
| C001 | 山田太郎 | 東京都 | 2026/01/10 |
| C002 | 鈴木花子 | 神奈川県 | 2026/02/15 |
| C003 | 佐藤一郎 | 東京都 | 2026/03/01 |
| C004 | 高橋次郎 | 千葉県 | 2026/04/10 |
初めてのクエリを作成してみよう
今回は東京都の顧客だけを表示してみます。
Step1
「作成」タブを選択
Step2
「クエリデザイン」をクリック
Step3
T_顧客マスタを追加
Step4
表示したい項目を選択
顧客コード
氏名
都道府県
Step5
都道府県の抽出条件へ
東京都
を入力
Step6
実行ボタンをクリック
すると次の結果になります。
| 顧客コード | 氏名 | 都道府県 |
|---|---|---|
| C001 | 山田太郎 | 東京都 |
| C003 | 佐藤一郎 | 東京都 |
並び替えをしてみよう
次に登録日の新しい順に並べます。
登録日フィールドの
降順
を選択します。
結果
| 氏名 | 登録日 |
|---|---|
| 高橋次郎 | 2026/04/10 |
| 佐藤一郎 | 2026/03/01 |
| 鈴木花子 | 2026/02/15 |
| 山田太郎 | 2026/01/10 |
となります。
複数条件で検索する
実務では複数条件検索がよくあります。
例
東京都
かつ
2026年登録
です。
条件欄へ
東京都
登録日に
>=#2026/1/1#
と入力します。
これだけで条件検索ができます。
あいまい検索をしてみよう
顧客名の一部だけわかっている場合です。
例えば
田
を含む顧客を検索します。
条件に
Like “田“
を入力します。
結果
山田太郎
が表示されます。
実務では非常によく利用します。
集計クエリを作ってみよう
クエリの真価は集計にあります。
例えば都道府県ごとの顧客数を集計します。
元データ
| 都道府県 |
|---|
| 東京都 |
| 東京都 |
| 神奈川県 |
| 千葉県 |
集計結果
| 都道府県 | 件数 |
|---|---|
| 東京都 | 2 |
| 神奈川県 | 1 |
| 千葉県 | 1 |
このような集計が簡単にできます。
Excelでのピボットテーブルに近いイメージです。
実務でよく使うクエリ例
今月登録した顧客
月次報告
で利用
売上上位顧客
重点顧客管理
で利用
未対応案件一覧
進捗管理
で利用
期限切れ設備一覧
設備管理
で利用
実務ではクエリを作るだけで業務改善につながるケースもあります。
クエリ保存のすすめ
初心者の方は都度作成しがちです。
しかしAccessでは保存して再利用できます。
例
Q_顧客一覧
Q_東京都顧客
Q_今月登録顧客
というように名前を付けます。
後からすぐ利用できます。
命名規則を決めよう
おすすめは
Q_
を付けることです。
例
Q_顧客一覧
Q_売上集計
Q_未対応案件
テーブルと区別しやすくなります。
初心者がやりがちな失敗
条件を入れすぎる
複雑になりすぎて管理できなくなります。
まずは単純な条件から始めましょう。
クエリ名が分かりにくい
悪い例
クエリ1
クエリ2
良い例
Q_東京都顧客
Q_月次売上
元データを直接編集する
クエリは検索用として利用するのが基本です。
クエリを覚えると何が変わるのか
Access初心者の方が最も効果を感じるのはここです。
例えば
以前
Excelを開く
↓
フィルター設定
↓
条件検索
↓
集計
5分
クエリ作成後
Q_月次売上
ダブルクリック
↓
完了
数秒
といった違いが生まれます。
これがAccessによる業務改善です。
Copilotを活用するとさらに便利
最近ではCopilotに質問することでクエリ作成のヒントが得られます。
例えば
Accessで東京都の顧客だけを表示する
クエリを作りたい
や
部署別売上集計のクエリを作りたい
などです。
Access初心者の学習支援として非常に有効です。
次回予告
今回はAccessの中心機能であるクエリについて学習しました。
次回は、
フォームの作成
について解説します。
フォームを作成すると、
- 入力画面
- 検索画面
- メニュー画面
が作れるようになります。
いよいよ実際の業務システムらしい画面を作成していきます。
ぜひ続けてご覧ください。
まとめ
今回はAccess初心者向けシリーズ第3回として、クエリの基本について解説しました。
クエリを使うことで、
- 条件検索
- 並び替え
- 集計
- あいまい検索
などが簡単に実現できます。
特に業務改善を考える場合、
クエリは最も利用頻度の高い機能です。
まずは
- 東京都の顧客一覧
- 今月登録顧客
- 顧客件数集計
など簡単なクエリから作成してみてください。
クエリを使いこなせるようになると、Accessの便利さを一気に実感できるようになります。


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