レコードの効率的な削除方法　削除クエリの活用

データベースを作成してレコードの蓄積が増えてくる中で、不要なデータを削除する機会が出てきます。特に、条件に応じたレコードを一括で削除する場合に、削除クエリを活用することがお勧めです。今回は、Accessの削除クエリについてSQL文と併せて見ていきましょう。

サンプルデータについて
削除クエリの作成
レコードの削除方法
まとめ

サンプルデータについて

サンプルデータについては、氏名、年齢、所属をまとめたものを更新クエリの紹介時に作成していますが、その際に使用したテーブルを今回も使用したいと思います。（サンプルデータを保存したテーブルの名称を「所属テーブル」とします。）

現状、所属テーブルのレコードは次のようになっています。

表1　サンプルデータ

氏名	年齢	所属
鈴木　一郎	45	販売チーム
渡辺　次郎	30	販売チーム
山田　三朗	56	販売チーム
佐藤　四巳	58	事務チーム
堀越　五作	43	事務チーム
米津　六実	22	企画チーム

今回は、このサンプルデータを用いて、削除クエリの使い方を見ていきましょう。

削除クエリの作成

まずは、クエリを作成して、テーブルの追加で「所属テーブル」を選択します。次に、クエリ設定画面の【フィールド】に「氏名」、「年齢」及び「所属」フィールドを設定します。そして、「デザイン」タブの「削除」アイコンをクリックします。

これにより、画面が切り替わり、図1のように【レコードの削除】項目が選択できるようになる。
この状態で、レコードを選択的に削除してみましょう。

レコードの削除方法

サンプルデータの内、「所属」フィールドが「販売チーム」の値をもつレコードを削除する方法を見てみましょう。この場合、図1に示している通り、「所属」フィールドの【抽出条件】項目に「販売チーム」と入力し、画面左上の「実行」アイコンをクリックすると図2に示すダイアログボックスが表示されるため、「はい」をクリックすることで削除が実行されます。

削除操作後の「所属テーブル」を確認してみてください。この結果、「所属」フィールドに「販売チーム」の値をもつレコードが全て削除されていることが確認できたと思います。
今回は、「所属」フィールドだけに条件設定しましたが、「年齢」フィールドにも抽出条件を設定すれば、年齢と所属を抽出条件として両方の条件に適合するレコードを削除することができます。これは、Excelよりも簡単に対象レコードを抽出することができるため、業務効率は向上すると思います。

なお、今回の例におけるSQL文は次のようになります。

DELETE 所属テーブル.氏名, 所属テーブル.年齢, 所属テーブル.所属
FROM 所属テーブル
WHERE (((所属テーブル.所属)=”販売チーム”));

ここで、ポイントとなる点は「DELETE field FROM A WHERE B」という構文です。
SQL文ではDELETE構文を用いることで、WHERE条件に一致したレコードを削除することができます。このように、レコードの削除条件を設定することで、業務効率の改善が図れますので、是非削除クエリを活用していただければと思います。