「Accessは危険だからやめた方がいい」
「Accessは古いから全面刷新すべきだ」
最近、こうした意見を見かける機会が増えました。
確かにAccessには弱点があります。
しかし、20年以上Accessの業務システムが現場で使われ続けている企業を見ていると、私は別のことを感じます。
結論から言うと、
本当に危険なのはAccessではありません。
本当に危険なのは、
担当者しか分からないシステム
です。
そしてこの問題は、
Access
Excel
Power Apps
Python
Webシステム
すべてに共通しています。
今回は、多くの企業が誤解している
「Access問題の本質」
について考えてみたいと思います。
Accessが悪者にされやすい理由
Accessの話になると、
よく聞く言葉があります。
壊れやすい
古い
属人化する
危険
時代遅れ
です。
確かに一部は事実です。
しかし、
本当にAccessそのものが原因なのでしょうか。
例えば、
20年間問題なく動いているAccessシステムもあります。
一方で、
導入から2年しか経っていない最新Webシステムが運用不能になっているケースもあります。
つまり、
Accessだから危険
という話ではありません。
私が見てきた本当に危険なシステム
実務で相談を受ける中で、
本当に怖いと感じるのは次のようなシステムです。
誰も仕様を知らない
担当者に聞くと、
昔の人が作ったので分かりません
と言われます。
設計書もありません。
仕様書もありません。
結果として、
なぜ動いているのか
誰も説明できない
状態になります。
VBAを触れる人が一人しかいない
実は非常に多いです。
担当者Aさんだけが、
テーブル構造
フォーム構造
VBAロジック
を理解しています。
すると、
Aさんが退職した瞬間に、
保守不能
になります。
これはAccessの問題ではありません。
担当体制の問題です。
属人化はAccess特有の問題ではない
よく、
Accessは属人化する
と言われます。
しかし、
Power Appsでも、
Pythonでも、
Webシステムでも、
同じことが起きています。
例えばPythonです。
コードが
5000行
あっても、
作者しか理解していなければ同じです。
Power Appsも同じです。
作成者だけが理解している場合、
担当者の異動と同時に
ブラックボックスになります。
つまり、
本質は
Access → 属人化
ではなく
運用 → 属人化
なのです。
システムより担当者の方が先にいなくなる
最近特に増えている相談があります。
それは、
担当者が退職します
です。
システムは元気です。
データもあります。
業務も回っています。
しかし、
担当者が退職するので困っている
のです。
実際には、
Accessが壊れて相談が来るより、
担当者退職で相談が来る方が多い印象があります。
「触るな」が始まると危険
人材不足が進むと、
次の現象が起きます。
それは、
そのシステムは触るな
です。
理由は簡単です。
誰も直せないから
です。
すると、
改善すべき問題があっても放置されます。
業務は変わります。
法令も変わります。
運用も変わります。
しかし、
システムだけが変わらなくなります。
これが本当に危険な状態です。
古いAccessより危険な最新システム
少し極端な話をします。
私は、
次の二つなら
前者の方が安全だと思います。
安全なケース
20年前のAccess
設計書あり
仕様書あり
保守担当2人
危険なケース
最新クラウドシステム
設計書なし
担当者1人
運用ルールなし
実際、
後者の方が事故率は高くなります。
システムの新しさと、
運用の健全さは別問題だからです。
本当に重要なのはドキュメント
長寿命なシステムには共通点があります。
それは、
ドキュメントが残っている
ことです。
最低限でも、
テーブル一覧
フォーム一覧
処理概要
担当者
が分かれば、
かなり違います。
逆に、
設計書ゼロ
は非常に危険です。
Copilot時代は状況が変わり始めている
以前なら、
分からないVBAがあると、
担当者に聞くしかありませんでした。
しかし現在は、
Copilotへ
このVBAを説明してください
処理フローを教えてください
改善点を教えてください
と依頼できます。
もちろん万能ではありません。
それでも、
ブラックボックスだったコードの理解は格段に進めやすくなりました。
今後は、
人だけに依存する時代
から、
AIも利用しながら保守する時代
へ変わっていくと思います。
今すぐ確認したいセルフチェック
次の項目に当てはまる場合は注意が必要です。
- Access担当者が1人しかいない
- VBAを説明できる人がいない
- 設計書が存在しない
- 作成者が退職している
- バックアップルールが不明
- 改修履歴が残っていない
- エラー発生時の相談先がない
3項目以上該当する場合、
問題はAccessではなく、
保守体制
かもしれません。
実際に増えている相談
最近は次のような相談が増えています。
- Accessの中身を解析してほしい
- VBAを引き継げる状態にしたい
- 担当者退職前に整理したい
- ドキュメントを作成したい
- Accessを継続利用できるか判断したい
興味深いのは、
「Accessをやめたい」
よりも、
「Accessを維持したい」
という相談の方が多いことです。
最後に
Accessそのものが問題なのではありません。
本当に問題になるのは、
担当者しか分からないシステム
です。
もし、
- Access担当者が退職予定
- VBAを理解できる人がいない
- システムの中身が分からない
- 保守を引き継げない
という状況であれば、
システムが止まる前に一度整理しておくことをおすすめします。
当サイトでは、
- Accessシステム保守
- VBA解析
- 属人化対策
- システム改修
- 保守体制の見直し
に関するご相談を受け付けています。
システムが動かなくなってからでは選択肢が限られてしまいます。
「今は動いているけれど少し不安」
という段階でのご相談が最も効果的です。
☞ 業務依頼・お問い合わせはこちら
業務依頼等のお問い合わせはこちら | 簡単!!Access作成方法の紹介
まとめ
Accessは確かに古い技術です。
しかし、
「古い技術」 = 「危険な技術」
ではありません。
本当に危険なのは、
- 担当者しか分からない
- ドキュメントがない
- 保守担当者がいない
- 誰も改修できない
という状態です。
そしてその問題は、
Accessだけでなく、
Power AppsでもWebシステムでもPythonでも発生します。
重要なのは、
Accessを捨てること
ではなく、
システムを理解できる状態を残すこと
です。
2026年現在、多くの企業が向き合うべき課題は、Accessの寿命ではなく、知識の継承なのかもしれません。

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